演題 長門と近松
講師 上田富夫 氏
(公益財団法人
長門市文化振興財団 事務局長)
長門では、昔から人々の間で、近松門左衛門生誕の地であるとの伝説が語り継がれてきた。
昭和初期には「近松翁の碑」や「近松座」を名乗る芝居小屋が建てられ、現に近松の生まれ育ったといわれる集落も存在する。
長門市では、この伝承に着目して、「近松のまち長門」を全国に向けてアピールしようと、学識経験者や地元関係団体の協力をもとに実行委員会を結成し、1994年に「近松祭in長門」を開催した。赤崎神社でのコンサートを皮切りに、地芝居公演、近松作品の映画鑑賞会、人形劇による「子供近松劇場」、ドナルド・キーン氏らを招いての講演会「西洋から見た近松の世界」など内容は盛り沢山である。
近松伝承を活かしたまちづくりの取り組みが評価され、2000年3月には、山口県が長門市に文化施設「ルネッサ長門」を建設した。観客席800席、廻舞台や花道もある、本格的な設備を備えた劇場は、長門市だけでなく、周辺自治体も含めた地域の舞台芸術の中核施設となっている。
ここでは、近松作品を現代劇風に上演する「ながと近松実験劇場」も行われている。











青海島育ちのマッサン